荘司ゆう世界選手権初優勝!師匠から弟子へ受け継がれたレインボージャージ BMX Freestyle Flatland Final | 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS-自転車競技世界選手権

イギリス・スコットランド南西部の都市であるグラスゴーで開催された「2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS(UCI自転車競技世界選手権)」。13種目もの自転車競技の世界選手権が同時開催される中、BMXフリースタイル・フラットランドは8月8日~10日の3日間の日程で行われ、男子は日本の荘司ゆうが初優勝、女子はフランスの Aude Cassagne(オード・カサーニュ) が2年連続2度目の優勝を果たしました。

昨年の佐々木元に続き、今年も日本人ライダーがチャンピオン!しかも昨年チャンピオンの佐々木モトくんを師匠と呼び、いつも仲良く行動している荘司ゆうくんの優勝ということで、喜び合う2人の姿を見ることができて幸せな気分になることができました。おめでとうゆうくんモトくん!

そして男子2位は早川起生、女子は中川きららが3位と、TEAM JAPANは3名のライダーが表彰台を獲得する活躍ぶり。昨年に続き、日本のフラットランドの強さを再確認できた大会となりました。

Photo by JCF

得意のトランスファーで会場を沸かせた荘司ゆう

荘司ゆうのスタート前には、師匠の佐々木元が両肩を掴みながら何かを話しかけている様子が映し出されていました。LIVEのMCたちも何度も「Teacher and Pupil (師匠と弟子)」と発言しており、この2人の間に強い信頼関係があることは世界的にも周知の事実。昨年チャンピオン佐々木元の弟子、さらに5月のFISE Montpellier でも優勝しているとあって、観客のみなさんの期待もかなり高まっている様子でした。

荘司ゆうのライディングで印象的なのは、随所に盛り込まれるトランスファー。フロントからリアに、リアからフロントにと、回転中にジャンプをして足の位置をダイナミックに切り替えます。高速回転中に瞬間移動したようにも見える、とても盛り上がる瞬間です。

今回特に会場を盛り上げたのは、後半に見せたリア→フロント→リアの2回のトランスファー。会場は大歓声に包まれ、日本チームのみんなの笑顔もたくさん映っていました。このくらいまで来ると、FISE Montpellier でのあの感動が再び…!?という思いが頭をよぎり始めます。このままミスらず最後まで行け〜と多くの人が祈っていたことでしょう。結果は見事なフルメイク。94.16ポイントという高得点で優勝となりました。

ゆうくんのライディング写真は入手できなかったのですが、上位3名+αのライディングはUCIのYoutubeでハイライト映像を見ることができます。決勝LIVEのアーカイブもUCIのYouTubeに残っているので気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!(LIVE映像は日本からの視聴がブロックされていますが、VPN使用で見ることができます)

ミスが響くも高い次元のライディングを見せつけた早川起生、佐々木元、伊藤真人

セミファイナル1位通過の早川起生は、スタート直後から脅威のバランス感覚で素晴らしいライディングを見せてくれましたが、中盤、十八番トリックの「サーカス」中に手を離すという難易度高すぎ!な動きを展開するも、着地でバランスを崩し惜しくも転倒。その後巻き返しますが、荘司ゆうの94.16ポイントに僅かに及ばず91.16ポイントで2位となりました。
21歳同士の若いライダーが僅差でワンツーフィニッシュ。これからも、日本のそして世界のフラットランドの進化が楽しみでなりません。

Picture by Matthieu Metivet/SWpix.com – 09/08/2023 – BMX Freestyle Flatland – 2023 UCI Cycling World Championships – Glasgow Green, Glasgow, Scotland – Men Elite – SemiFinals – Hayakawa Kio – Japan

佐々木元は後半に繰り返し足をついてしまう場面があり、82.46ポイントで5位となりました。それでも、数々の高難易度オリジナルトリックで会場を沸かせる姿はさすがの佐々木元。最後は日本の国旗を持って応援してくれていたみなさんに日本語で「ありがとうございます」と感謝を伝えていました。

伊藤真人も開始早々に足をついてしまったり、途中スリップしてしまったりと今回は少しリズムを崩してしまったようでしたが、得意の色んなディケードなどダイナミックなライディングで会場を盛り上げ、最後は笑顔でフィニッシュ。結果は7位となりました。

2人とも、ぜひまたこの大舞台でかっこいいライディングを見せてほしいですね!

Picture by Matthieu Metivet/SWpix.com – 09/08/2023 – BMX Freestyle Flatland – 2023 UCI Cycling World Championships – Glasgow Green, Glasgow, Scotland – Men Elite – SemiFinals –

日本女子ライダーも高いレベルで進化中

昨年に引き続き、女子3位を獲得した中川きららは途中足をつく場面もありましたが、持ち前のバランス感覚と細やかなブレーキ使いで高難易度のルーティーンを次々と決めて行き、最後はガッツポーズでライディングを終えました。昨年の悔しそうな表情とは対照的に、笑顔と嬉し泣きの感動的なフィニッシュ。これまでの努力を思うとグッと来るものがあります。本当におめでとう!

Picture by Matthieu Metivet/SWpix.com – 09/08/2023 – BMX Freestyle Flatland – 2023 UCI Cycling World Championships – Glasgow Green, Glasgow, Scotland – Women Elite – Qualifications – Nakagawa Kirara – Japan

川口朔来も世界選手権初出場にも関わらず、落ち着いた様子でミスのないライディングを披露。表彰台には一歩及ばずの4位フィニッシュではありましたが、3位のきららちゃんとは1.4ポイント差。まだまだ多くの才能が控えている日本のフラット女子。近い将来、表彰台独占なんてこともあるのではないでしょうか。楽しみです!

Picture by Javier Martínez de la Puente/SWpix.com – 09/08/2023 – BMX Freestyle Flatland – 2023 UCI Cycling World Championships – Glasgow Green, Glasgow, Scotland – Women Elite BMX Freestyle Flatland Qualifications – KAWAGUCHI Sakura (JAPAN)

BMX Freestyle Flatland Women 決勝リザルト

  1. CASSAGNE Aude FRA (32) 87.66
  2. SANTIAGO de OLIVEIRA MODA BRA (27) 84.50
  3. NAKAGAWA Kirara JPN (18) 82.66
  4. KAWAGUCHI Sakura JPN (17) 81.26
  5. SEIGNEUR Jeanne FRA (18) 77.00
  6. THURANSZKY Panni HUN (15) 72.00
  7. SEIGNEUR Louise FRA (18) 62.33
  8. KADAR Veronika HUN (15) 59.00
Photo by JCF

BMX Freestyle Flatland Men 決勝リザルト

  1. SHOJI Yu JPN (21) 94.16
  2. HAYAKAWA Kio JPN (21) 91.16
  3. DANDOIS Matthias FRA (34) 88.00
  4. PREVOST Jean William CAN (36) 85.50
  5. SASAKI Moto JPN (38) 82.46
  6. van BERKEL Sybren Christ. NED (34) 75.90
  7. ITO Masato JPN (32) 72.83
  8. GOMEZ PIERNAVIEJA Jorge ESP (42) 70.16
Photo by JCF