明日11/26締切!山形県が寒河江スケートパーク改築に関する誰でも回答可能なアンケートを実施中

先月公開した記事寒河江スケートパーク改築でボウルが無くなる!?BMXライダーのご意見募集中でご説明した山形県の寒河江スケートパーク改築の件で、10/22に意見交換会が開かれました。

意見交換会の詳細は後述しますが、提示された改修案は、ボウルを残す、なくす以前にそこにいた全員がなにかしらの問題を感じるようなものだったため、参加者から多くの反対意見や提案が出ました。
81BMXでも編集長ナオキングが東北(青森)ライダーなのもあり実際に参加し、前回の記事でBMXライダーのみなさんからいただいた意見をまとめた資料を県の担当者の方と設計の方にお渡ししてきました。自分なりの改善案を紙に書いて持ってきてくれた方もいます。

そういった様々な意見を受け止めていただけ、今回の改修をより良いものにするために、多くの方の意見を聞いた上で今後の対応を決定したいということで、山形県がアンケートを実施してくれています。
ですが近県宮城のライダーからの情報によると、アンケート回答数がかなり少なく、このままでは当初の予定のまま進んでしまってもおかしくなさそうとのことです。

せっかく意見を届けられる機会をつくってもらえたので、たまにしか来ない方でも、来たことがない方でも問題ない、どんな立場からでも、簡単な回答でもいいので遠慮なく意見してほしい、と管理者の方も仰っていました。
パークや乗る場所ついての想いを語ってくれるもよし、日本各地の色々なパークの良いところを教えてくれるもよし、海外のパークを知っている方はその様子を教えてくれるもよし…、ひとりでも多くのライダーが意見を届けてくれることで、より良いパークにすることができるかと思います。
みんなで日本のライディングスポットを良くしていこう、という感覚で、アンケート回答しちゃいましょう!

寒河江スケートパーク改築に関するアンケートの実施について

締切は明日11/26まで。回答方法は「寒河江スケートパーク管理棟」または「みはらしの丘スケートパーク」に設置している回収箱に投函するか、県外などで来られない方のためメールフォームでの回答も受付けてくれています。
メールフォームURL
http://www.m-furusatopark.com/04_mail_foam/

メール回答の方向けのフォーマットが用意されていないので、回答の際は下記資料下にテキストを用意したのでコピペしてお使いください。


タイトル:スケートパークアンケート
性別:
年齢:
住所:
普段利用しているパーク:
寒河江スケートパークの利用頻度:

Q1:本格的なストリートコースについてどのように感じますか?
a 大変良い
b 良い
c 普通
d 悪い
e かなり悪い

Q2:Q1で回答された理由をお聞かせください。

Q3:「パーク(プール)の設置についてどのように感じますか?
※別紙「補修・改築検討案」では、現在の深いプールと同様の深さを維持しますが小さくなる計画となっています。
a 大変良い
b 良い
c 普通
d 悪い
e かなり悪い

Q4:Q3で回答された理由をお聞かせください。

Q5:その他、ご意見がございましたらお聞かせください。


意見交換会でのこと

10/22に開催された意見交換会には、宮城、山形のライダー、スケーターなどが参加しました。人数は少なく約10名ほどです。
寒河江スケートパーク側からは、県の担当者さま、設計担当者さま、そして寒河江スケートパークの管理会社の方が参加されました。

意見交換会は会場の営業時間の関係で約2時間で、内容はざっくり以下のとおりです。

●県の担当者さまからスライドを用いたこれまでの経緯と改築計画の概要説明
●設計担当者さまからスライドを用いた設計の説明
●模型や設計図を囲んでの意見交換

終了後、見せていただいたスライド資料を印刷物かPDFなどで提供いただけないかお願いしたところ、不特定多数に公開することを前提に作ったものではないのでこのまま渡すことができないとのことでした。現地で撮影した写真等についても公開の許可をいただけなかったため、公開できる資料の提供をお願いしましたが担当のみなさんもお忙しそうで、まだいただけていない状況です。

本来であればそれを待ってから詳細を公開するべきなのですが、アンケートの締切まで時間がないため、公開しても差し支えなさそうと判断した内容をまとめました。何か問題があった場合は削除してしまう部分があるかもしれませんが、予めご理解ください。

県の担当者さまからの説明内容

寒河江スケートパークの利用状況

●震災後落ち込んだものの持ち直し、平成26年度には9,215人まで伸びたがそれをピークに利用者数は減少傾向にある
●令和元年度実施利用状況調査結果(対象4,240人 / イベント参加者除く)
年齢別:幅広い年齢層の利用があるが12歳以下が一番多い
地域別:山形県・他県では隣県宮城が多い
●平成18年度〜31年度新規登録者数調査結果(対象8,370件/ イベント参加者除く)
スケートボード91% / BMX 7% / インラインスケート2%
●イベント集客について、民間開催のものではSAGAE BMX JAMの集客がとても多く感謝している

改築へ舵を取る大きなきっかけとなったのはスケートボードでの国際交流

●寒河江スケートボードフェスティバルというイベントなどで数年に渡り国際交流をしてきた
●東京オリンピックでの韓国スケートボードのホストタウンに寒河江市と山形県が登録された

寒河江スケートパーク利用者数減少の理由として考えられるもの

●施設の老朽化
●全国各地で近代的なスケートパークが増加しているため
●スケートボードがオリンピック競技になったことで競技志向としての需要が高まっている(BMXについての言及はなし)

寒河江スケートパークが抱えている具体的な課題

●利用者頻度が少なく経年劣化が深刻な奥のボウルの維持管理が困難
多数のクラックが入り剥がれ落ちている部分もあり、深さもあるため湧水が後をたたない。利用頻度も少ないため維持管理が困難と考えている。

●経年劣化が深刻な手前のボウルの滑走面の補修
一部改修しているが滑走面の劣化がある。湧水も多少みられる。一番使われている部分なので改修が必要と考えている。

●社会的要請に対応した競技性の高いコースの整備
東京オリンピックにおける韓国のホストタウン登録の背景もあり、大会が開けるようなストリートコースがないことを課題と考えている。(ボウルが使用されるスケートボードのパーク競技について、及び同じくオリンピック競技であるBMXについての言及はなし)

●バックヤード(外の芝生部分)の有効活用
観客席の整備などが必要と考えている。

令和元年度に行った課題に対する取り組み

●村上市スケートパークの視察など、競技性とは何かという部分を模索
●滑らかな滑走面を実現するための試験施工
●スケートボード協会AJSAとの打ち合わせ
●評価が高い施工会社MBMとの打ち合わせ
●一般利用者要望聞きとり
(2019/12/12に山形市内のウエストベースという冬期間除雪の車両基地を借りてボックスなどを置いてスケートボードができるようにしている場所で聞きとり)

改築方針案

●滑らかな滑走面の整備
手前のボウルは現在の形状を残しつつ、安全性・走行性・競技性を高めるための滑走面の補修

●本格的なストリートコースの設置
利用頻度が少なく老朽化の著しい奥のボウルの位置に競技人口の多いストリート種目ができる本格的なストリートコースを設置

●パーク(プール)の設置
廃止される奥のボウルの代替施設として手前のセクションの一部に新しいボウルを設置

●観覧席の設置
観覧に適さなかった南側に盛土をしてベンチなどを設置

これらは2019年12月頃に決定し、前述の一般利用者要望聞きとりでは好評だった。

設計担当者さまからの説明

現地調査の結果奥のボウルの補修は困難

●現地調査の結果、亀裂、空洞、強度の問題、凹凸、漏水、排水の問題、照度の問題などが浮き彫りになった。
●改修するためには一度取り壊して作り直すことになり作るよりも予算がかかる。
●排水対策の面から見ても下に遺跡があるためこれ以上掘ることができず対策ができない。
●上記のことから奥のボウルの損傷は大きく補修困難と判断。
●他の箇所の補修については試験施工として滑走面研磨を行った結果改善効果大&経済的と判断し、実施採用。(含浸性表面保護材も追加)

県、利用者からの要望とそれに対する案

●県や管理者からの要望:
大会が開けるような本格的なストリートコース、奥のボウルに替わる深いプール
●利用者のニーズ:
滑らかな滑走面、ストリートコース、全天候型施設、オリジナル性(12/12の聞き取りの結果)

●滑走面については前出のとおり。
●オリジナル性は東北唯一の本格的なストリートコースで遠くからの誘客に繋げたい。
●全天候型は予算の関係上難しい。
●奥のボウルに替わる深いプールも設置。

具体的な設計案

●本格的なストリートコースは現在の奥のボウルを埋めた上に設置。全体的に低く、ゆるい構造。一番高いところで120cm程。レールは50cm程度。ステアなどもゆるくする。昨今のストリートコースはそれが主流で、オリンピック関係の国際大会もそれで行われている。
※これらはAJSA、MBMと相談をしながら設計を進めている。
●南側に観客席も設ける。
●奥のボウルに替わる深いプールについては大きさは今より狭くはなるが深さは維持し、ディープエンドは290cmほどを想定している。
●アメリカにあるようなクレイドルボウル(お椀を倒したようなもの)を設置することで集客効果が見込まれると考えている。
※但し正直大きすぎると感じているので全体との取り合わせや利用者の意見を聞きながら調整していきたい。

図面や模型を見ながらの話が多かったのですが写真を公開できないので割愛します。ストリートセクションの模型はアンケートの資料に写真が掲載されています。

意見交換会来場者からの意見

ストリートセクションについて

●本格的なストリートセクションと言うが小さすぎる。(低すぎる)
●縦の流れしかない。
●初心者にフォーカスしすぎているのでは。初心者向けのセクションがあるのは良いが、徐々にスキルアップしていけるようなものにするべき。
●レールなどが低いと感じる。低いものがあるのは良いがもっと高いものがあってもいいのでは。スケートボードならまだ良さそうだがBMXではかなり低い。MTBだとかけられないかも。
●日本のパークで一生懸命スケートボードをして大会などに出ている子どもでも、アメリカのパークに行って何もできず泣いてしまうこともあるくらいなので、競技性を求めると言うならもっと大きいものが必要なのではないか。
●オリンピック仕様はこれだ、と言うが国際大会はオリンピックだけではない。
●今の設計ではコンクリートパークである必要もないと思う。
●同じ山形県のみはらしの丘もストリートよりのパーク、隣の宮城県仙台市にもストリートセクションが多いパークができる。どこにでもあるものになってしまい差別化が測れないので集客の面でも逆効果ではないか。

ボウルについて

●大きすぎると仰っていたがこれでも狭い。もう少し広げることはできないか。クレイドルボウルのようなものを検討してくださっているのはとても嬉しいが狭いと感じる。
●予算次第だと思うがクレイドルボウルやフルパイプのようなものがあれば嬉しい。予算的に難しいならシンプルなものでも良いのでサイズは欲しい。
●あのボウルを求めて遠方から来る人もたくさんいて、それが寒河江の魅力でもあったので潰してほしくはない。補修困難という事情は把握できたが代替えボウルのこともしっかり考えてほしい。
●村上スケートパークでも狭い。ボウルを作るなら今の奥のボウルや鵠沼くらいのサイズが欲しい。
●オリンピックのスケートボードはストリートとパークがあり、パークはボウルで行われるがなぜストリートのことだけを優先しているのか。韓国選手の練習場所として考えてもパークの方もいるかと思うがボウルのことは考えなくてもいいのか。
●ドロップインできなくても入れる入り口があれば良い。徐々にチャレンジできるようなものにすれば全体のレベルが上がっていくはず。
●子どもは大人が考えている以上にすぐ慣れる。村上の3mのボウルでも普通に乗っている。小さくすれば良いというものではない。
●大会誘致に関してもボウルを魅力的なものにすることで呼べる大会もたくさんあるはず。

全体について

●利用者の意見を収集したのが平地にボックスを置いている場所のみ、1日のみというのは問題ではないか。意見に偏りがあるかと思う。
●正直、面が良くなって明るくなればそれでいいのに、と言っている人も多い。
●競技志向、楽しめるパーク、どちらに寄せてもいいが、今のままだと中途半端なものになってしまうと思う。
●現在のレイアウトにある外周コースがなくなってしまうのは避けてほしい。初心者も上級者も楽しめる外周コースは絶対に必要。
●海外にあるようなストリートとパークが混在しているようなパークが理想で今の寒河江はとても良かったのに残念。
●この少人数でこれだけの反対意見が出るのならまだ意見を言えていない人の意見を拾ったらもっと多くの様々な意見が集まるのでは。再考の余地があるなら再考してほしい。
●近年東北からプロライダーが出てないので、寒河江らしい部分を残しつつ大きいものにしてほしい。
●プロの選手も良い環境を求めて海外に行く。環境の差は大きい。日本にももっと大きなセクションが必要ではないか。
●写真や映像映えするような、セクションとしても使えて寒河江らしさもあるオブジェなど、ユニークなセクションがあってもいいのでは。

その他入ってきている情報など

●補修に関しては何年も前から打診していたが予算が下りなかった。今回オリンピックの件もあり予算が下りたので、色々な課題はあるもののチャンスではある。
●スケートボード協会の公式大会ができるコースにすることで予算が下りるという事情もある。
●敷地を広げるという案もあったが県からの許可が下りなかった。
●県の担当者、設計の方々はストリートが主流というイメージを持っている。
●現在寒河江によく集まる高校生スケーターには現在の改修案である小さめのストリートコースが好評という情報もある。
●ボウルの状態が悪いので使用されていない、ボウル好きのユーザーも来ていないという考え方もある。
●国内海外で様々なパークを経験しているユーザーが近郊では少なく、ユーザーからの情報提供や提案が少ないため、行政としては実績のある協会や施工会社の意見のみで進めるしかない状況になっている可能性もある。

意見交換会参加者数が少なかったこと、アンケートの回答が集まらないことについて、近郊BMXライダーのSNSを中心に、「地元のスケートボード関係者の間でなんらかの圧力がかかっているらしい??」という話が問題視されていますが、事実確認がとれないのでここでは深く追求しません。ただ実際アンケート回答者数も意見交換会に来た人の数もかなり少なく、不思議な状況ではあります。
それは単に関心がないからなのかもしれませんのでなんとも言えませんが、自分たちの遊ぶ場所、練習場所は自分たちで作り上げて行こうという気持ちで行きたいですよね。

どちらにしても、行政を動かし良いものをつくるには多くの人の意見が必要、ということは間違いないので、回答できる人はぜひ!締切は明日11/26までです!

各地域で色々な問題があると思います。81BMXに載せてほしい!という情報がありましたら、微力ながら協力させていただきたいのでぜひご連絡ください。みんなの力で日本の環境を良くして行けたらと思っています。