フィリピンの首都マニラから南に1時間半ほど移動した都市「タガイタイ」にて2023年7月13日〜16日(フリースタイルは15日まで)の日程で開催されたBMXフリースタイルとレーシングのアジア選手権。15日に行われたパーク、フラットランドの決勝にて日本人ライダーが続々とメダルをゲット!Park男子は中村輪夢、Flatland男子は佐々木元、そしてFlatland女子は川口朔来がそれぞれ優勝し、4カテゴリのうち3カテゴリで金メダルを獲得するという快挙となりました。
Park女子決勝
普段ワールドカップで採用されているパークのスタイルとは違い、ボウルでの開催となった今大会。みんなのボウルライディングを楽しみにしていましたが、雨、霧、暴風により練習もほとんどできず、ひたすら天候の回復を待つ毎日となってしまいました。最終的に予選はキャンセルとなり、15日の決勝日にエントリーライダー全員で決勝となりました。
15日も天候は回復しないまま、雨と霧と風の合間に進行することに。雨季のフィリピンは雨量も多く、パークを乾かす作業も難航。
約3時間の待機の後でようやく始まった女子決勝は、雨が来る前に終わらせなければ!!という空気感満載のハイスピード進行。
時々霧が出てしまい映画のサイレント・ヒル状態、そんな中でもあまり長く待機しているとまた雨が降るかもしれない…というライダーにとっては相当辛かったであろう状況。
日本から参加の寧々ちゃんはそんな中で気合いのライディングを見せ、昨年末から世界を席巻している中国女子に見事食い込み、3位を獲得しました。
注目されていたワールドカップ2連勝中のZhou Huiminは1本目はあまりふるわず2本目にかけているようにも見えましたが、前のライダーSun Sibeiのライディング中に雨が降り出し、コーピングが濡れるほどになってしまったため少し待機してからライディングをスタート。不運にもまたすぐに雨が降り出してしまい、30秒ほどでライディングを終了し、最終順位は5位でした。
パーク女子リザルト
- YAWEN DENG CHN 82pt
- QIAN ZHENG CHN 77pt
- NENE NAITO JPN 71.25pt
- SINAI OH KOR 65.5pt
- HUIMIN ZHOU CHN 62.25pt
- SIBEI SUN CHN 51.25pt
- ASIAN MARIANO PHL 40pt
- YESEO KIM KOR DNS
Park男子決勝
パーク女子決勝終了後は続けて男子決勝が行われる予定でしたが、女子の最終ライダーHuimin Zhouの2ラン目に降り出した雨はそのまま暴風雨へ。なんとか再度雨が落ち着いた17時頃からの開催となりました。
ほんの少しの練習時間を経て、女子の時同様にハイスピード進行でどんどん進んでいく決勝。全員が1ラン目だけでも終えられないと順位がつけられないため、グループ分けをなくしてエントリーした14名が順番にライディングして行きます。そのまま2ラン目が終わるまで雨は降らずにいてくれましたが、日没との戦いもあり、徐々に暗くなっていく会場でなんとかやり切った、という形になりました。
そんな厳しい戦いを制したのはやっぱり中村輪夢。観客席からは歓声そして感嘆の声。これまで撮影してきた世界大会で聞いたことのある歓声とは少し違った、「感嘆」という言葉が本当に似合うような声があちこちからあがっていました。前回大会2019年(インドネシア・ジャカルタ)に続く2度目のアジアチャンピオン。納得の結果となりました。
2位のジョージのライディングも客席をかなり盛り上げており、テラ、楓も慣れないボウルでよくぞここまで…というくらい素晴らしいライディングを見せてくれました。
パーク男子リザルト
- RIMU NAKAMURA JPN 89.5pt
- JOJI MIZOGAKI JPN 82.25pt
- XIAOLONG SHA CHN 78.25
- MASAKI TERABAYASHI JPN 72.5
- KAEDE OZAWA JPN 68pt
- YEONHO KIM KOR 66.5pt
- GUETLER MARLANO PHL 64.5pt
- HYUK JEON KOR 62pt
- TIANWANG WEI CHN 60.5pt
- SHUOTANG LIN CHN 56.25pt
- RUNGRUEANG PHAMEE THL 43.25pt
- PAUL DIAZ PHL 39.25pt
- KYLE GARCIA PHL 33.25pt
- RONNAKRIT WONGPRACHA THL 29.5pt
Flatland女子決勝
パークとは対照的に、真新しい建物の中で滞りなく進んでいったFlatland。パークのスタッフ、ライダーも応援に駆けつけ、至れり尽くせりのサポート体制。ライディングに専念できるようにしっかりサポートしてもらえるのは本当にありがたいですよね。
女子は前日の予選を勝ち抜いた4名での決勝。
日本ライダー中川きららはブレーキを自由自在に操るスタイル、川口朔来はノーブレーキのなめらかスタイル、とそれぞれ違ったライディングスタイルの2人。共に若干のミスはあったものの良いパフォーマンスを見せてくれました。
甲乙つけがたいところでしたが、さくらちゃんが0.4ポイント上回ってアジアチャンピオンに。きららちゃんが2位となりました。ちなみにフィリピン男子たちが2人のことを「KAWAII」って言ってました。
フラットランド女子リザルト
- SAKURA KAWAGUCHI JPN 78.375pt
- KIRARA NAKAGAWA JPN 77.925pt
- SUDARAT SUVANICH THL 71.700pt
- KRISTAL HERNANDEZ PHL 67.450pt
Flatland男子決勝
フィリピンではフラットランドがとても盛り上がっており、決勝ともなると観客席にも多くの人が集まっていました。
前日の予選を勝ち抜いた8名による決勝です。
男子は予選3位通過の伊藤真人がお得意の「いろんなディケード」を中心に流れるようなライディングで渾身のフルメイク。予選1位通過の佐々木元は一度足をついてしまいましたがオリジナリティと難易度の高さを見せつけました。
結果、1人だけ90点台の高ポイントを叩き出した佐々木元が優勝。中村輪夢と同じく、2019年に続く2度目のアジアチャンピオンとなりました。
フラットランド男子リザルト
- MOTO SASAKI JPN 90.725pt
- MASATO ITO JPN 88.000pt
- PAKPHUM POOSA ART THL 84.200
- DWYNE LOPENA PHL 76.400pt
- GEORICH CARDINO PHL 76.150pt
- RENZ VIAJE PHL 74.100pt
- SHEIKH MUHAMMAD TASLIM SHAIKH MOHD RAZIFF MLY 69.525pt
- WAN MOHAMAD SHAH YAHYA MLY 66.075pt
アジアを牽引する日本のBMXフリースタイル。みんなとてもかっこよかったです。来月の世界選手権も楽しみです!!